東室ウィークリー
【東室ウィークリー Vol.117】
更新日：2020.01.10
【東室ウィークリーVol.117】
さぁ、今週もやって参りました東室ウィークリー！！
新年最初の東室ウィークリーを担当してくださいますのは、
当団トランペット奏者の津守 祥三（つもり しょうぞう）さんです！
津守さんは、先月の東室ウィークリーでご紹介しました、当団ソロ・コンサートマスターの物集女純子さんと一緒にロシアに行き
アルチュニアン作曲のトランペット協奏曲を現地のオーケストラの皆さんと演奏してくださいました☆
その時に感じた音楽の作り方の違いや雰囲気などをお話し頂きましたので最後までどうぞご覧ください！
それではどうぞ！
明けましておめでとうございます。
東京室内管弦楽団でトランペットを吹いております、津守祥三です。
昨年は元号が平成から令和に変わり、日本にとって大きな節目の年となりました。
その節目の年の最後に僕は当団ソロコンサートマスターの物集女純子さんと志村健一マエストロと共に
ロシアの最西端にあるサンクトペテルブルクという都市に行ってまいりました。
サンクトペテルブルクはレニングラード州の州都で、かつてはロシア帝国の首都でもありました。
時期がクリスマスということもあり、街中がイルミネーションで装飾されていてそれはそれはとても綺麗な街並みでした。
今回滞在したホテルはネヴァ川沿いにあり、有名な跳ね橋やエルミタージュ美術館からも近く、絶好のロケーションでした。
すご〜く寒いのを想定して渡露したのですが、今年のロシアの冬は何十年に１度の暖冬だそうで、気温も2〜5℃ぐらいで雪も一切無くかなり過ごしやすかったです。
完全防寒で街を歩き回っていると少し汗ばむほどでした。
今回のロシア渡航の目的は2つ。
サンクトペテルブルク・シンフォニー・オーケストラとの共演とレコーディングでした。
僕が演奏したアルチュニアン作曲のトランペット協奏曲は世界中のトランペット奏者が１度は必ず取り組む作品で、ハイドンやフンメルの協奏曲に続く主要なレパートリーとなっています。
僕自身も何度も演奏したことのある作品ですが、いずれもピアノ伴奏だったのでオーケストラとの初共演が作曲者の学んだロシアという何とも贅沢な経験をさせて頂きました。
リハーサルと本番を通して一番に感じたことは、音楽をする上で大切にしている事柄が日本人と全く違うということです。
日本人は調和やまとまりを美徳として音楽を作ることが多いと思いますが、
ロシア人の演奏は細かいことよりも音楽の軸を太く作ることに重きを置いているように感じました。
リハーサルをしていく中で音程や縦の線などズレが生じている箇所も少なからずあったのですが、
全員が攻めた音楽をしていると言うか、そんなものには囚われずに音楽を作っている部分が多く、
かなりカルチャーショックを受けました。
音楽の真髄を肌で感じたと言うか、
そのうねりのある音楽作りに飲み込まれそうになりながらもすごく感動して演奏しながら涙を流しそうになりました。
本番の会場は日本の音楽ホールのようなところではなかったのですが、
よく響く場所だったので気持ち良く演奏出来ました。
会場内が青い照明で照らされていたり、客席のど真ん中にクリスマスツリーが立っていたりして日本の音楽ホールで演奏するときとはだいぶ雰囲気が違いました。
お客さんも温かい眼差しで演奏を聴いてくださいましたが、
僕が童顔のあまり最初登場したときに子供が出てきたけど本当に大丈夫か？と言うような反応を示す方も少々いたので
演奏で跳ね除けようと必死だったのはここだけの秘密です（笑）
2/15のミューザ川崎公演では東京室内管弦楽団の伴奏でアルチュニアンのトランペット協奏曲を演奏致します。
ロシアで見た美しい景色、身体と心で感じたロシアの風や香りを音に乗せてお届け出来るよう頑張りたいと思います。
是非沢山の方々に聞いて頂きたいです。皆様のご来場お待ちしております。
津守さんありがとうございました！
音楽を作るうえで大事にする部分がそれぞれ違うという事ですね！
それにしてもホールの様子で客席のど真ん中にクリスマスツリーとはなかなか大胆な装飾ですね！
津守さんより、ロシアでの様子の写真や動画をたくさん頂きました！
今回このような機会をくださいました志村マエストロと一緒に行っておりました物集女さんとの三人での写真もあります！
そんなロシアでの体験を経てグレードアップした津守さんのアルチュニアン作曲のトランペット協奏曲を
また、物集女さんがソリストで演奏いたします、
チャイコフスキー作曲のヴァイオリン協奏曲を2月15日（土）にミューザ川崎で14:00から開演の「Luxury classics～マエストロセレクトVol.2」でお聴き頂けます！！
公演の詳細は当団HPをご確認ください！
➡https://tco.or.jp/
この豪華な2つの協奏曲が聴けるこのコンサート皆様お誘いあわせの上是非ご来場ください！
最後までご覧いただきありがとうございました！
次回の東室ウィークリーをお楽しみに！！
