2020-2021
season

東室ウィークリー

東室ウィークリー

【東室ウィークリー Vol.113】

更新日:2019.11.28 

【東室ウィークリーVol,113】
皆さんこんにちは!今週もやってまいりました。東室ウィークリー!!
あれよあれよという間に11月29日・・・本当に一年早すぎませんか?
私スタッフ、全然12月に突入する準備できてないんですけど(^^;
皆さんもお仕事やおうちの事で忙しい日々が続くと思いますが、体調崩さぬようくれぐれもお気を付けください!

さて話が脱線してしまいましたが、今回の東室ウィークリーでお話し頂きますのは、
当団トランペット奏者、エデュケーション・プログラム・アドヴァイザーの三澤 慶(みさわ けい)さんです!!

今回はエデュケーションプログラム・アドヴァイザーの視点から、12月4日に行われます、
とある地域の音楽鑑賞教室の特徴的なところについてお話し頂きました!
それではどうぞご覧ください!!


我が東室にとって毎年12月の恒例となりました、「小美玉市音楽鑑賞教室」の季節が今年もやってきました。
こちらの公演は市内の「基本的には」中学2年生を対象とした音楽鑑賞教室ですが、
他の鑑賞教室とは大きく違う点が3つほどあります。
はじめに、ホールの残席をなんとワンコイン500円で一般のお客様に提供させて頂いている点。
これには「良いものを地域の皆様にも是非見て・聴いて・感じて頂きたい」という、館長さん(後に登場します。)始め小美玉市の担当各位のみなさんの想いが込められています。
平日の昼間に地元のホールでオーケストラを聴けるなんて、とっても贅沢ですね。

次に、この音楽鑑賞教室は中学生に対する「鑑賞マナーの向上・育成」という趣旨も組み込まれております。
ホールに入る生徒さんたちはチケットカウンターでそれぞれのチケットを提示し、
半券を切り取ってもらい、指定された座席に着席しコンサートを聴くという通常のコンサートと全く変わらない手順を踏んでおります。
大人になって、「コンサート会場ってどうやって入るの?」といういわゆる「今さら聞けないマナー」を覚えられるのも素敵ですね。

さらに、公演に先立ち、毎年11月には当団エデュケーションプログラム・アドヴァイザーの私、三澤が小美玉の各中学校に直接赴いて、
吹奏楽部の生徒たちと直接交流する機会が鑑賞教室の一環としてセットになっています。
その時間の中で演奏の技術的な話以外にも「オーケストラの公演でのステージスタッフの仕事」などの話も織り交ぜ、
来たる公演日に生徒さんたちが客席から今までと違った目線でステージを見られるといいな、と思ったりします。
(特にウチのオケには公演に同行することの多いスタッフには大変ユニークな凸凹コンビがいます。)

小美玉市は平成18に3町村(小川町、美野里町、玉里村)の合併によって誕生した市です。
そういう経緯もあって、市内になんと3つのコンサートホールを持つ大変贅沢な場所ですが、
中でも毎年この公演が行われるのは「四季文化会館「みの~れ」」という、広々とした公園の中に佇むとても美しいホールです。

そして、この文章の中でご紹介したいのはこの「みの~れ」の館長、山口茂徳さんのことです。

山口館長(以下、館長さん)はとにかくいつもニコニコした優しそうな気さくなおじさまです。
(すぐに私も某無料メッセージアプリで友達になりました。)
しかし、少しお話を伺えば、常に「小美玉にとにかく何か素晴らしいものを持って来たい!」という情熱渦巻く、とても熱く、郷土愛に満ちた方です。
そして、そのバイタリティーが素晴らしい!
情報収集のために日本中を駆け回り(茨城空港から世界へ!ということもあるでしょう)、呑むとなったらとことん呑み(一度同席させていただきましたが、お開きは26:00でした。)、夢を語り、
そして朝は5:00からウォーキングが日課だというから驚きです!
もう館長さんの下で働く若いスタッフさん達に比べても圧倒的な元気をいつも周りに振りまいていらっしゃいます。

その館長さんから「茨城には日本三大民謡の「磯節」というのがあって、これは茨城の誇りだからぜひオーケストラで演奏してくれないか?」と提案を受けたのは3年前のことです。

編曲の依頼はオケの事務局スタッフの「公演担当P」経由で受けました。

私は編曲の仕事をする際は、「その編曲にとりかかるまで、その曲の資料は見ない」ことにしています。「今」やっている編曲に集中できないからです。
「磯節」の時もそうでした。何か資料や編曲の概要は公演担当Pから聞いていたと思いますが、とにかく「磯節」にとりかかる日までは何も見ませんでした。

3年前、その前に仕上げる編曲を終え、
いよいよ「磯節」にとりかかる日になって初めてメールに添付してあるURLをクリックし、Youtubeで聞くことのできる「磯節」を聞きました。(もちろん譜面の資料などはありません。)

「….え?こ、これ、どうしよう…」

これが私の最初の気持ちでした。いや、きっと口をついて言葉として発したと思います。
民謡として圧倒的な迫力があるのはわかります。なんとなく。日本人として。
声の張り、天を突き抜けるこぶし、大洗に打ち寄せる太平洋からの荒波が目の前に見えるようです。
それはそれとして、これどうやってオーケストラ作品にしよう…できるかな…
まず、主旋律の姿がみ、見えない。リズムや拍頭も理解できない。
まず次の日公演担当Pに電話。

三澤:「この編曲、僕の手には負えないかも…」
公演担当P:「なんとかなりませんか?館長さんがどうしてもオーケストラで聴きたい!って…」
三澤:「頑張ってはみるけど、自信ないなあ…ちょっと本物の「磯節」聞いてみて。」
公演担当P:(「磯節」を聞いて)「なるほど…これはむずかしいですね。ちょっと館長さんとも相談してみます。」
三澤:「でも館長さんの情熱は痛いほど伝わる。よし!自信はないけどもうちょっと頑張ってみるから、少し時間ください。」

私が今まで東室の公演用・録音用に手がけた作・編曲は200を超えます。
私のパソコンの中の「東京室内管弦楽団」というフォルダは、譜面ファイルだけで5.37GBもの容量を誇ります。(2019年11月28日現在)
その中で、作編曲に関して初めて、そして唯一「弱音」を吐いたのが、この「磯節」なわけです。

ということで、なんとか完成した「磯節」。
当団の首席フルーティスト、吉田さんの優雅で力強い圧倒的なソロで今年で3回目の再演になります。
もしもこの文章を読んでいらっしゃる方の中で、当日会場に足をお運びになるという方がいらっしゃれば、
ぜひ本物の「磯節」をお聞きになられて来ていただければ幸いです。

世間で言う「ビフォー・アフター」とは違うかもしれません。
なぜかと言えば、「アフター」が「ビフォー」の芸術性にかなわないからです。
でも、民謡がオーケストラになると…という「ビフォー・アフター」は楽しんでいただけるんじゃないかな?と思います。

そして、最後に余談。
小美玉といえば個人的に楽しみにしていることがもう1つ。
小美玉に本店を構える「みつを万寿」さんの黒糖まんじゅうを買って帰ることです。

こちらのおまんじゅう、小美玉の本店の他は茨城県内のいくつかの直営店舗でしか買うことのできないのです。
このおまんじゅうとの出会いは数年前、公演に先立ってのアウトリーチで市内の中学校を訪問した際のお昼休憩の時間に、

「美味しいおまんじゅういかがですか?」

と、わざわざ館長さんが差し入れてくださったのです。

私は普段あまり甘いものは食べませんし、実はあまり興味もありません。
しかし、最初に頂いた時、このおまんじゅうは私の中の「いくら美味しいって言っても、たかがおまんじゅうでしょ?」的感覚を圧倒的な破壊力で根こそぎなぎ倒し、空中高く飛ばし去り、銀河の彼方まで吹き飛してしまいました。
そのくらい衝撃的に美味しい、私の「ビッグバン的おまんじゅう」です。
あんこの上品な甘さもさることながら、ツヤツヤ・モチモチの赤ちゃんのほっぺのような皮の美味しさたるや、衝撃的です。


三澤さんありがとうございました!!
近年、SNSや動画投稿サイトの普及などにより、コンサートホールに足を運び生演奏を聴く機会というのは減少傾向にある中で
、このような形で、ホールでのマナー学習を取り入れていくのは非常に効率的・かつ効果的ではないでしょうか?

また、「磯節」にまつわるエピソードからも館長さんの想いや、三澤さんの音楽・楽曲に対する姿勢がとても印象的でしたね!
最後には三澤さんお気に入りの「黒糖まんじゅう」の紹介頂きました^^
私スタッフ実は甘党で甘いものに目がないので、話を聞いて、ついよだれが出そうになりました(^q^)

最後までご覧いただきありがとうございました♪
来週の東室ウィークリーもどうぞお楽しみに!!