2019-2020
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東室ウィークリー

東室ウィークリー

【東室ウィークリー Vol.97】

更新日:2019.06.21 

【東室ウィークリーVol.97】
梅雨の季節ということで、事務局のある都内では、雨が降る日もありつつも、晴れた日にはしっかり気温が上がり日差しも強く、夏の本格化を感じる今日このごろです。

vol97となる今回は、当団コントラバス奏者の「駒井 朗(こまい あきら)」さんにずばり、「コントラバス奏者の移動について」をお話しいただきました。
演奏家同士でも聞かれることが多いほど、多くの人にとって謎に包まれているコントラバスの移動事情、これを読めばなるほどと納得できるかもしれません。必見!


皆さん、こんにちは。
コントラバスの駒井朗です。

東室でも全国いろいろな場所に行かせていただいておりますが、音楽家にとって「移動」はつきものです。
特に我々コントラバス奏者は楽器が大きいので、「どうやって運んでいるのですか?」「大変でしょう…」などと声をかけていただく機会も多々あります。

実は東室はもちろん、全国ほとんどのオーケストラでは楽団がコントラバスを所有していて、事務所のスタッフの方々が会場まで運んでくれます。
なので東室のリハーサル、公演の時は弓だけ持って行けばいいのです…しかも地方公演の時などは弓も楽器と一緒に預かってもらったりするので、その時は手ぶらで移動…なんだか他の楽器のメンバーには申し訳ないです(笑)
東室は音楽鑑賞教室など朝早い公演も多いのですが、どんなに早くても我々より先に着いていつも弾いている楽器を準備してくれています。本当に感謝です!

とは言うものの、もちろん自分の楽器を持ち運ぶ機会もたくさんあります。
私も自分のコントラバスと共にいろいろな所に行ってきました。

コントラバスと共に街を歩くと必ず1度は声をかけられる、というのがコントラバスあるあるになる程大きいので、やはりずっと背負って運ぶと身体に相当な負担になり、会場に行くだけで演奏前にクタクタになってしまいます…なので最近は専用のキャリーを使って運ぶ奏者が多いです。
これだけで負担はだいぶ違います!

会場までの移動手段ですが、まず一番多いのが車です。
もはや車というより「動くコントラバスハードケース」という感覚です。
私も車を買う時には車屋さんに自分の4弦と5弦のコントラバスを2本持って行って、ぴったり収まる車を選びました。

ただ、車で移動する時大変なのは、やはり時間が読めない点で、渋滞に巻き込まれてしまったりしたら大変なので、ものすごく早く出発します。なのでコントラバス奏者が誰よりも早く着いているという事がよくあります。

次に皆さまもお見かけした事があるかもしれませんが、電車での移動です。
首都圏の通勤電車は非常に混雑するので、なるべく避けるようにしていますが、どうしても乗らなければならない時は運転席の後ろのスペースの角にいるようにします。コントラバスは隅っこの角が一番安定して場所も取りません。
皆さまも電車にご乗車の際に、もしコントラバスを持った人が乗って来た際には隅っこの角を譲っていただけたらと思います。とても喜びます(笑)

ちなみに友人で車を持っておらず、いつも電車で運んでいる子がいるのですが、移動がラッシュの時間に重なってしまう場合は絶対に無理なので、混む前ほぼ始発電車で行くそうです…もちろんまだホールは開いていません。

新幹線や特急電車に乗る場合は、デッキのドアの前に立てかけて置かせてもらいます。
まず車掌さんに事情を話して許可を取って、途中の停車駅ではどちら側のドアが開くのかを先に教えてもらい、出発したら次の停車駅で開かないドア側に移動させるという方法をとっています。

以前乗った新幹線がガラガラだった際には、終点まで誰も乗ってきませんのでと車掌さんのご好意で、3人掛けのシートを贅沢に使って置かせていただいた事もありました!

次は飛行機です。
昔はコントラバスの為に余分に3席購入して機内に持ち込んで運んでいて、コントラバスの分の機内食も出てきたなど笑い話もありますが、今は預けるのが一般的です。

これはいつも私が利用している航空会社の話にはなりますが、国内線ではなんと航空会社がコントラバスのハードケースを持っていて、事前に予約しておくと出発空港に準備しておいてくれるので、ソフトケースのままそれに入れて預けて運んでもらいます。
国際線になるとハードケースの用意はないので自分でハードケースに入れて持って行きます。

飛行機で預けてしまって壊れたりしないかとたまに心配されますが、何度も運んでもらった事がありますが、今までトラブルは1度もありませんでした。

ちなみに運んでもらう値段について、すごく高いでしょ?とよく聞かれますが、国内線はなんとハードケースのレンタル含め無料!国際線でも軽めのケースに入れて行けば重量は範囲内におさまり、サイズだけのオーバーで済むので思うほどかかりません。

もちろん航空会社やその時の条件により変わりますので、皆さまが万が一コントラバスを飛行機で運搬の際には事前に航空会社にご確認下さい(笑)

そのようにコントラバスとの移動を数々してきましたが、その中で特に思い出に残っているのがフェリーでの移動です。
以前北海道に楽器を持って行く際に普通なら飛行機で行くところなのですが、冬で雪もあるので着いてからも結局レンタカーなどの必要があったので思い切って自分の車で行ってみました。

当然陸路だけでは行けないので、途中仙台から苫小牧まで約16時間の船旅です。
なかなか長時間の乗船でしたが、その船にはカラオケルームがあったので、そこを借りて大海原の水平線を見ながらとても優雅な気分で練習しながら行ったのを良く覚えています。

さて東室では来月には毎年恒例の福島への演奏旅行が控えております。
あのモーツァルトも「旅をしない音楽家は不幸だ」との名言を残しておりますが、やはり音楽家は旅(移動)が好きな人が多いと思います。
各地の美味しいものを食べたり、空き時間で散策したり、移動そのものを楽しんだり…時には大変な移動もありますが、みんなそれぞれの方法で楽しんでいます。

これからもいろんな場所で各地の皆さまの前で演奏させていただける事に感謝すると共に、その場所への「移動」も楽しんでいきたいと思います!

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◆写真について◆
①最近の駒井さん(撮りたてです!)
②車に2本積み!
③電車での移動
④新幹線での移動
⑤国内線でのハードケース
⑥国際線での軽めのハードケース
⑦フェリー内での優雅な練習
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駒井さんありがとうございました!
陸海空様々なパターンでのコントラバス運搬についてお話しいただきました!
車で~や電車で~といった手段くらいの話は耳にすることもあるかもしれませんが、ここまで細かく紹介している記事はそうそう無いのではないでしょうか。
苦労あり、工夫あり、楽しさもあり、こういった事情もコントラバスの魅力のひとつなのかもしれませんね。

さて、次回の東室ウィークリーのテーマは「ファゴットについて」と、低音楽器が続きます。
オーケストラや吹奏楽で活躍するファゴットですが、実はよく似た形の楽器があることをご存知ですか?
そんなちょっとマニアックなお話を当団ファゴット奏者の「神山 純」さんにしていただきました!
次回もどうぞお楽しみに!