東室ウィークリー
【東室ウィークリー Vol.111】
更新日:2019.11.01
【東室ウィークリーVol.111】~特別編~
10月も終わり、11月がやってきました!!
もう秋も終盤…本当にあっという間ですね。
今週の東室ウィークリーは、昨日10/31に公演が行われた「オペラ 石見銀山 完全版 東京特別公演」において、オーケストラピットでの演奏しましたことを受けて、客席からは見えづらいピットの中はどのようになっているかをお伝えしていきます!
★コンサートマスターを少し高くする
この工夫の意図する理由は、オーケストラピットは基本的にすべてフラットな状態がほとんどで、コンサートマスターから近い人は見ることが可能ですが、コンサートマスターから遠い管楽器や打楽器群などは弦楽器の人と被ってしまい、見えなくなってしまう事が多いです。
そのため、コンサートマスターをあえて1段上げることによりどこの場所からでも見えるようになります。
★ピット特有の配置
オーケストラピットでは、通常の舞台よりも奥行きや幅が狭いために楽器配置でも少し工夫をしなくてはなりません。
一般的に、オーケストラの配置は客席側から順に、弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器のように配置されます。しかしオーケストラピットで一般的なのは弦楽器の配置はそのままに、金管楽器が上手側、木管楽器は下手側、打楽器は余ったスペースに配置することにより、少し窮屈にはなりますが通常のステージよりも少ないスペースで配置することが出来ます。
★その他の配置
上記では一般的な配置についてお話ししましたが、一つ特殊な例をご紹介します。
一般的には弦楽器群は下手側から1stヴァイオリン、2ndヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、その後ろにコントラバスというように配置されますが、1stヴァイオリンを中央、いわゆる通常の2ndヴァイオリンやヴィオラの位置に配置するというパターンです。
この配置は、メロディーラインを担当することが多い1stヴァイオリンが中央にいることで、弦楽器にあるF字孔という音が出てくる穴が正面(客席)に向かうため、メロディーが鮮明に浮かび上がり、音楽が聴きやすくなります。
★コントラバスについて
もう一つオーケストラピットで考えるべきは背の高い楽器である「コントラバス」です。音楽の構成上、オーケストラの中央付近に配置したり、一般的なオーケストラの配置に沿ってセッティングをするのですが、オーケストラピットの場所によっては、高さのあるコントラバスの頭の部分が見えてしまう場合があります。
そのような場合は、音楽的な効果を考慮しつつ、踊り手や歌い手の視覚的妨げにならないような場所に配置するよう配慮をしています。
以上4つの工夫をお話しさせて頂きました!
このようにオーケストラの楽器配置について、一般的なオーケストラコンサートの時も音響効果や舞台上の面積などによって工夫いたしますがオーケストラピットでは更に、様々な工夫が施されています。
そのお話はまた次の機会に!!