東室ウィークリー
【東室ウィークリー Vol.108】
更新日:2019.10.04
【東室ウィークリーvol.108】
10月に入りました!
今回のVol.108は、つい先日、9/24~10/1までの間、島根県出雲市にて行われておりました、
東室ブラスアンサンブルによる小中学校音楽鑑賞教室ツアーを終えて、同県同市出身の首席トロンボーン奏者、井上康一さんに率直な感想を含め、沢山お話しいただきました。
井上さんの今回のツアーに込めた想いをひしひしと感じられる今週の東室ウィークリー、ぜひ最後までお読みください。
『東京室内管弦楽団ブラスアンサンブル出雲ツアー』
~出雲市小中学校音楽鑑賞教室&
東京室内管弦楽団ブラスアンサンブルコンサート&金管楽器打楽器クリニックを終えて~
今回の出雲小中学校鑑賞教室に東京室内管弦楽団ブラスアンサンブルで行くことが決まったのが今年の2月でした。
出雲市(旧出雲市の地区)の鑑賞教室は企画提案書を提出してきた団体の中から、
教育研究会(音楽)の先生方によって選出されます。
その後、鑑賞教室期間中の公演の無い土曜日、日曜日に、
演奏会とクリニックのお話しを島根県吹奏楽連盟出雲支部様よりいただきました。
出雲の鑑賞教室のご担当の先生との打ち合わせや東京室内管弦楽団事務所、
トランペット奏者で作曲家、編曲家、当団教育プログラムアドバイザーの三澤慶さんとのミーティングを重ね、
あっという間に出雲ツアーの9月を迎えました。
鑑賞教室公演は学校を移動しながらの1日3回公演が6日間。
それに加えて島根県吹奏楽連盟出雲支部ご主催のホールでの演奏会で合計19公演、
更にクリニックと、メンバーの皆さんには休んでいただく時間が全く無くなってしまいました…。
一番に自分がこのハードなスケジュールをやり切れるか?という不安が大きく…
それに地元での公演を成功させたい…という気持ちからプレッシャーを感じるようになり、
近くなってくる出雲ツアーのことを考えて眠れなかったり
変な夢を見て夜中に目が覚めたり…という日もありました。
鑑賞教室公演は、東京室内管弦楽団が最も大切にしている公演の一つです。
子どもたちに本物の音楽を届ける大切さや尊さは、
東京室内管弦楽団の活動の中で、僕の身体と心に浸透していったと思います。
学生時代や大学を卒業したての頃、
朝リハーサルをやってすぐに本番という鑑賞教室の仕事は、当時、現場の経験を積むことや、
また現場で出会う音楽家とのパイプ作りという利己的な考えで向き合っていた気がします。
東京室内管弦楽団の鑑賞教室は演奏者が全力になって
音楽に真摯に向き合う精一杯の音楽を子どもたちに届ける。
そして、子どもたちはそれに純粋なリアクションをしてくれて、
それが空気感の中でこちらに伝わってくる。
音楽を届ける「幸せ」を純粋に感じ取ることが多くなっていきました。
自分には「本物の音楽」「上質な音楽」を届けるなんて言葉は、
まだまだ技術的にも精神的にも力不足ですので、
今の自分の精一杯を音の一つ一つに心をこめて演奏する…
それは鑑賞教室に限らず、全ての公演で、今、僕が一番大切にしていることです。
いつか地元の出雲の子どもたちに東京室内管弦楽団のお互いを尊敬しあえる
素敵なかけがえのない仲間との音楽を届けたいと思い始め、それが僕の夢になりました。
今回、いろいろなご縁が重なって、出雲に行けたことは本当に幸せでした。
9/23に出雲に入る予定が台風の影響で飛行機が飛ばないかもしれないと、
かなり焦りましたが無事に到着、その後リハーサル。
出雲の景色の中に、東京室内管弦楽団のメンバーがいることは、とっても不思議な感覚でした。
今回のメンバーは…
〈トランペット〉
・多田将太郎さん
・三澤慶さん
・中村諒さん
〈ホルン〉
・大槻香奈絵さん
〈トロンボーン〉
・井上康一
・上田智美さん
〈ユーフォニアム〉
・円能寺博行さん
〈チューバ〉
・国木伸光さん
〈パーカッション〉
・宮崎仁さん
ゲスト
〈ソプラノ〉
・遠藤采さん
〈バリトン〉
・菅谷公博さん
金管八重奏にパーカッション、そしてゲストでソプラノ、バリトンをソリストに迎えて、
ブラスアンサンブルのレパートリーだけでなく、三澤さんのアレンジでオペラの名曲もお届けしました。
9/24~9/27と1日3回、朝は7:40頃にバスで出発して、9:00から一回目の公演が始まる日が続きました。
一回目公演が終わって、またバスで次の学校へ…
二回目の公演が終わって、次の学校へ…というスケジュールです。
9/28は、出雲大社近くの大社文化プレイスうらら館でコンサート。
こちらは、鑑賞教室のプログラム数曲に、
ブラスアンサンブルのオリジナル作品や三澤さんの素晴らしい作品を演奏しました。
9/29は金管楽器と打楽器のクリニック
午前中が小学生と中学生、午後が高校生と出雲の吹奏楽の活動をしている児童さん、生徒さん対象のクリニックでした。
出雲は吹奏楽の盛んな地域ですので、皆さんとっても良い音をしていました。
9/30、10/1で、鑑賞教室を1日3回公演。
10/1の最終公演が終了後、そのまま出雲空港に向かいました。
盛り沢山なスケジュールでしたが、やはり鑑賞教室…
自分たちのことながら、金管、打楽器の皆さんの素晴らしい音と技術…9人が一つの塊になったサウンド。
ゲストにお迎えした遠藤さんのどこまでも澄み渡る美しい歌声。
菅谷さんの圧倒的な存在感の歌声とパフォーマンス。
子どもたちが目をキラキラさせて聴いてくれていました。
小学校公演のビリーブ共演では、純粋で素敵な歌声を体育館中に響かせてくれました。
中学校公演のリズム手拍子参加では最初は恥ずかしそうに手拍子していた生徒さんが、
会場の盛り上がっていく雰囲気の中、とっても楽しそうに手拍子してくれました。
出雲ツアーの一つ一つの公演の景色が心に残っています。
最後に今回のツアーのメンバーに心から「ありがとうございました」
1日3回公演、本当にキツかったと思います。
こんなに続いた公演も疲れを見せることもなく、
いつも笑顔で真剣に一回一回の公演を大切にして下さいました。
演奏はもちろん、皆様の音楽を楽しむ姿や、
一つ一つの音に対する集中力と信念は出雲の子どもたちにしっかり伝わったと思います。
三澤さん、オーケストラ作品やオペラをブラスアンサンブルにというプランに
原曲の魅力にブラスアンサンブルの魅力をプラスしていただいた素晴らしい編曲をありがとうございました。
ツアー中の三澤さんの演奏や全体の雰囲気作り、
きっと最後まで集中力を持続できたのは三澤さんのおかげです。
演奏会のMars好評でした!
メンバーお一人お一人には、改めてお礼の連絡をさせていただきます。
そして、最後の公演の後にいただいた写真&メッセージ入りのアルバム…
空港に向かうバスでゆっくり読ませていただきました。ジーンとこみ上げるものがありました。
皆様のお心遣いに感謝しております。一生の宝物にします!
(個人的なことも書いてしまい、ウィークリーを読んでくださった方には?なところもあるかと思います。申し訳ございません。)
一つ夢が叶うと、次の夢ができてしまいます。
それを胸に秘めて、また気持ちを新たに頑張ります。
今回の出雲ツアーでお世話になった全ての皆様、ありがとうございました。
写真は…
最後の公演を終えて空港に向かう前に学校で撮った全員集合写真と、
学校での演奏の様子、28日の演奏会での集合写真です。
また、9/29クリニックの様子が山陰中央新報に掲載されました。
井上さんありがとうございました!
スタッフとしても井上さんが今回のツアーに向けてご尽力されている様子を見てまいりましたので、
無事に、楽しく、とても良い形で終えられたことをとても嬉しく思います。
読みながらジーンとしてしまいました。。。
写真もどれも良い写真ばかりで、見ているだけで楽しくなりますね♪
さて、来週につきましては、通常のウィークリーはお休みをいただきますが、
平日マチネスペシャルとしまして、はるばるオーストリアから来日いただく
ゲストのフェルディナント・シュタイナー氏の特別インタビューを明日から3日間に渡って掲載いたします!
コンサートで使用する「バセットクラリネット」とはどんな楽器なのか?
氏がこだわり続けるモーツァルトの世界をたっぷりとお届けします!
どうぞお楽しみに!