東室ウィークリー
【東室ウィークリー Vol.73】
更新日:2018.12.07
【東室ウィークリー vol.73】
12月に入りはや一週間。今年ももう残すところあと3週間程となりました。
この時期は仕事やイベント事などが建込み忙しくなりますが
良い年末年始を迎えられるよう、無事に過ごしたいものですね。
さて、12月の東室ウィークリーは、年末の大そうじというところから少し音楽方面に発想を飛ばして、
「楽器のメンテナンス&アクセサリー」です!
楽器を演奏する人にはあるある、またはグッズ選びの参考に、
演奏しない人には楽器のことを知って「なるほどなー」と楽しんでもらえれば嬉しいです。
vol.73の今回はホルン奏者の安田健太さんにホルンのメンテナンスや便利グッズを紹介していただきました!
それではどうぞお楽しみ下さい。
こんにちは!東京室内管弦楽団ホルン奏者の安田健太です。
普段皆様にお聴きいただいている我々オーケストラの演奏は、想いの媒介である楽器なくしてはあり得ず、
その充実した旋律を奏でるには、楽器のご機嫌も伺いながらリハーサルを進めなければなりません。
楽器が不機嫌ですと、どんなに素晴らしいテクニックも活かしきることが出来なくなってしまいます。
そんな楽器たちのストライキを避けるため、私たちが怠ってはならないのが、
楽器のメンテナンス、「お手入れ 」です。
そう、12月の東室ウィークリーのテーマは楽器のメンテナンス&アクセサリーです!
私の楽器ホルンの場合は、弦楽器の皆さんほど湿度などでシビアではないものの、
いくつか気を付けなければならないことがあります。
まずは「錆」です。
金管楽器の大敵は錆による機械の動きの鈍りです。
そのために、人によっては毎日、または2週間に一度程度の間隔でオイル(写真1奥3つ)をさします。
様々な粘度のオイルがありますが、トランペットの方などは頻繁なイメージです。
ホルンはその人の性格によりますが、おおらかな方は1ヶ月くらい空いても気にならないという方もいらっしゃいますね。
また、音程の操作などのために管を抜いたりするのですが、
その動きを鈍らせないためにグリス(写真1手前)を塗ります。
このグリスにも色んな種類があって、仕上がりがスルスルと抜ける方がいいか、
固めにグリップする方が落とす心配がなく安心できるかなど、人の好みによって使うグリスが変わってきます。
ちなみに私は柔らか目です。
写真2は手入れ用具ではなくアクセサリーの一種ですね。
鉛筆、ではなくてその鉛筆をホルンに取り付ける用のアタッチメントです。
鉛筆はオーケストラのリハーサルでとても重要です。
指揮者の指示などをすぐに楽譜に書き込むために、一番早く手に取れる場所に付けております。
あまり不必要に書きすぎるのは良くないと個人的には思いますが、指揮者の想いによっては書いておかないと本番で忘れてしまうような、いわば突拍子もない事がたまにあるので、やはり鉛筆は必要です。
その突拍子もない事を教えていただくことで、我々奏者の引き出しもまた増えていくことを書いておかなくてはなりませんね。
ということで、その「鉛筆をくっつけておくモノ」でした。
写真3は、題して「スタンドと私 」です。
ホルンにも楽器スタンドがあります。一昔前まではホルンのスタンドはあまりスタンダードではなかったように思いますが、最近では増えてきたように思います。
スタンドに楽器をおけると、とても身体が楽です。永い永ーい休みの間楽器を持ち続けているといつか落っことしてしまいそうで(寝るな!)
まだまだ細かいグッズや小物などはあるのですが、
ホルンといえど終わりどころが見えなくなってしまうので、今回はこの辺で。
閲覧ありがとうございました!
今後も東室をよろしくお願いいたします!
安田さんありがとうございました!
それぞれの手入れ用具や方法にも好みや個人差があって、それにはなんとなくそのプレイヤーの人柄や姿が投影されているような気がしました。
余談ですが写真3はつい先日あった音楽鑑賞教室のステージにて撮影させていただいた最新(?)の安田さん写真です。(ファン必見!)
さて、次回の東室ウィークリーは当団首席ヴィオラ奏者の河野理恵子さんにヴィオラについての「メンテナンス&アクセサリー」をご紹介いただきます。
どうぞお楽しみに!