東室ウィークリー
【東室ウィークリー Vol.86】
更新日:2019.03.08
【東室ウィークリー Vol.86】
東室はつい先日3/3の2公演を終え、ほっと一息…といきたいところですが、
今月はまだまだコンサートが目白押し!
演奏家・指揮者・スタッフ一同が協力し合い、最高のコンサートをお届けできるよう準備をしております!
さて、今週のVol.86は2ndヴァイオリン首席奏者の「佐藤明美(さとうあけみ)」さんです!
当団前音楽監督・指揮者のいわくぼささを氏や、ちょっと変わったコンサート「100ストリングス」での思い出をお話しいただきました!
こんにちは、ヴァイオリンの佐藤明美です。
創立90周年の東室、私が演奏するようになり、早いもので30年近くなりますが、三分の一でしかありません。
又、故いわくぼささを先生とご一緒に演奏したのは、10年に満たない時間です。
でも、その時に感じた事、想った事を、今でも同様に思い出させてくれるのは、
いわくぼ先生の多くのアレンジ作品を演奏し続けているからだと思います。
東室はオーケストラだけでなく、いろいろな編成で演奏します。
なので、場所も大きいホールとは限りません。
カルテットや10人位のアンサンブルでの事。
事務所の方が、
「今日、いわくぼから “くれぐれも、うちの大切な皆さんと大切な楽器を、危険な場所を歩かせないように” と言われてますので。」
と話してくれました。(危険とは、お客さまの目に入らない、火や水がそばにある滑りそうな裏の通路です)
私はその言葉を伺って、先生のお気遣い、優しさ、そして大事にされていると感じました。
振り返ってみると、先生は演奏者をとても尊敬して大切にして、さらに自由な空間を与えて下さいました。
曲の始まりの合図を出して、あとは皆さん、よろしくお願いします、 そして最後の音を終わりにする。
もちろん曲中で様々な事があり、様々な事が起こります。
演奏するという事は一度として同じものはないのですから。
その様々な事が起きるのを、先生は楽しんで、そして演奏者に任せている様に感じました。
大切にされている事を感じ、お願い(信頼)され、任されたら人は一生懸命になります。
だから東室のメンバーは自分の想いを全て音にするように、心を込めた演奏をすると思います。
先程、いろいろな編成と記しましたが、「100ストリングス」という演奏会がありました。
文字通り、100人の弦楽器奏者が一堂に会しての演奏会。
さらに、ゲストコンサートマスターが、我が師である、故江藤俊哉先生でした。
見知った方々も多くいらしたのですが、言葉を交わすこともできないくらい、混雑していました。
そんな中、ちょっと緊張して、江藤先生にご挨拶に行った事を覚えています。
今思うと、先生も、もしかしたら少し緊張なさってたかも?
映画音楽やタンゴを弾かれる事はあまり(ほとんど)なく、オーケストラのコンマスも同様に、初めてに近い事であったのではと、想像します。
でも、親しみやすい音楽、そして本当にたくさんの演奏者と共に音楽を奏でる、
という事をとっても楽しまれて、喜ばれていたのでは、と思います。
本当に特別な演奏会、100ストリングス、又私も演奏してみたいと思うのと同時に、
客席で、その弦楽器の豊かな響きを聞いてみたい気持ちもあります。
いわくぼ先生が大切にされていた多くの作品と、東京室内管弦楽団の仲間と共に、
29日、サントリーホールで演奏いたします。
奏者の息遣いが聞こえる演奏をお楽しみ頂けますよう、
是非、足をお運び下さい。
佐藤明美さんでした!
100ストリングスではお師匠との共演があり、さらに大迫力の弦楽器サウンドと、
今でも強い印象となって記憶に残っている名コンサート、とっても気になります…!
2月から様々なパートの演奏家の方々にいわくぼ先生のお話を伺っていますが、
皆さん一人ひとりにそれぞれの思い出やエピソードがあり、
改めていわくぼ先生が様々な人に今でも愛され続けていることがとてもよくわかります…!
さて、次回の東室ウィークリーは、チェロ奏者の斎藤章一さんに90周年記念公演と、
いわくぼ先生の思い出などをお話しいただきます!
今度はどんなエピソードが出るのか…楽しみですね!