2018-2019
season

東室ウィークリー

東室ウィークリー

【東室ウィークリー Vol.95】new!

更新日:2019.05.31 

【東室ウィークリーVol.95(その1)】

まだ5月だというのに、猛暑に見舞われた先週末でしたが…
みなさまご体調など崩されていないでしょうか。
当団事務局は月曜日に今年初のクーラーを始動させました。
熱中症には気をつけましょうね…。

さて、今回も東室ウィークリーをお届け致します。
今回は感想特集です!
東室は先日まで長野県安曇野市にて各小中学校へ音楽鑑賞教室をさせていただいておりました。
長期に渡り開催されていた今回の鑑賞教室でどんなことを思われたのか、当団の首席フルート・ピッコロ奏者の本田 幸治(ほんだ こうじ)さん、同じく首席ホルン奏者の森 秦(もり しん)さん、そしてプリンシパルコンダクターである橘 直貴さんに感想を伺ってきました♪

沢山語っていただきましたので、2つに分けての投稿です!(Facebookでは2回に分けて投稿いたしました)

それでは、どうぞご覧ください。


こんにちは。フルート、ピッコロ奏者の本田幸治です。
現在東京室内管弦楽団は長野県の安曇野で音楽鑑賞教室の公演中です。只今約半分の公演を終えました。

鑑賞音楽教室について思いつくまま。

◦小学校4年生…私が通っていた小学校で鑑賞教室がありました。もう50年近く前なのでうろ覚えですが、フルートとマリンバ、ピアノの編成だったような。その時初めてフルートという楽器を見て、また生の音楽(音)に触れたと思います。かなり強烈な思い出でした。

◦大学2年生…初めてフルートでお仕事を頂いたのが鑑賞教室。電話で演目を聞いて全てのスコア(楽譜)を音楽大学の図書館で借りて練習しました。
「ベートーヴェンの『運命』あるよ」と言われ、全楽章練習しましたが、実は1楽章だけでビックリしたり。

◦現在…フルートで仕事を始めて約37年位でしょうか。今まで色々なお仕事を頂きました。もちろん音楽鑑賞教室も。現在今日も小、中学校の体育館で演奏しました。目の前で聴いている子供達のキラキラした目や表情、あの頃の自分もこんな顔をしていたのかな?

今回の鑑賞教室でフルートの楽器紹介でグリークの「ペールギュント」の「朝の風景」を演奏して欲しいとの事。実は私が10才の時鑑賞教室で聞いたのもこの曲です。
初めて耳にする子供達に何かを伝えるために、これからも全力で演奏します。そう、あの時の私自身の感動を忘れないためにも。

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こんにちは、ホルンの森 泰です。
5月というのに突然夏の陽気になってしまいましたが、冠雪の残るアルプスの山々に囲まれた長野県安曇野は抜けるような青空の下、清々しい風が吹き抜けていました。
その素晴らしい景観に囲まれた小学校、中学校での音楽鑑賞教室での演奏はとても気持ちの良いものでした。
生徒さんもとても楽しそうに、真剣に見て、聴いてくれました。

ふと思ったのは、私がドイツで生活をしていた頃にとても印象深かった事で、クラシックコンサートの客席には正装した方も多くいる一方、ジーンズ姿の若者も多く見受けられる事です。
若者のクラシック音楽離れはドイツでも見られる傾向ですが、それでもロックのコンサートにも行くけれど、クラシックのコンサートにも行くといった若者は日本よりかなり多いと思います。

東室の特徴として、演奏家各自がより積極的に音楽を楽しもうとする姿勢がありますが、そんなメンバーが今回の鑑賞教室では生徒さんにより近づいて演奏する場面も取り入れました。

その瞬間の特別に目をキラキラさせた生徒さんがとても印象的で、数年後、「何かの折にふとクラシックコンサートに行きたくなる 」若者が増えて、より心の豊かな社会になるといいなあと思いました。

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続いて橘直貴さんです!
どうぞご覧ください。

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楽団の公式カレンダーなどには掲載されないけれど、東京室内管弦楽団(以下、東室)として日々の演奏活動の中で最も大切に考えているものが音楽鑑賞教室公演です。小学校や中学校、時には高校生の皆さんを対象にそれぞれの学校に赴いて音楽を届けるというこの公演は、子供たち、若者にオーケストラと音楽の魅力をより深く知ってもらい、未来の音楽ファンになってもらうという意味では、地味だけれどもとても大切な事業であると私たち東室は考えています。
ここ数年ほぼ一年おきに行なってきた東京音楽鑑賞協会による鑑賞音楽会は、一昨年の長野県・千曲市(旧更埴市地域)での公演に引き続き今年は長野県・安曇野市の小中学校を17校、6日間かけて回りました。総勢約7,400名の子供たちに東室の音楽をお届けしたことになります。
行く先々での児童さん、生徒さんたちの弾けるような笑顔、そして元気な挨拶などからオーケストラのメンバー、僕自身も常に元気をもらい、楽しみながらスケジュールを進めることができました。
公演プログラムの内容は、共演あり指揮者体験コーナーありの、いつもの東室ならではの工夫に富んだ、曲のジャンルもヴァラエティーに富んだもの。楽器紹介では、個々の奏者とその奏でる音に反応し、それぞれの楽器の形、演奏者の姿を食い入るように見つめ、時に目を丸くする子供たちの表情が印象的でした。
オーケストラメンバーの皆さんは朝から午後まで一日3公演、各学校間の移動もある中で毎回響きの違う会場(体育館)、また訪れる先の学校の雰囲気や演奏に対する子供たちの反応もそれぞれ。会場の温度、湿度といったコンディションも含めて全ての状況が刻々と変化する中、プロとして自らのクオリティーを落とさず、そして決して手を抜かず一生懸命に子供たちを楽しませようと頑張って下さいました。
そんな演奏者の思いや情熱は、音楽を通じて子供たちに伝わったのではないかと思います。

演奏会が終わった後は、体育館を出て教室に戻る児童さん、生徒さんのお見送り。これは演奏者の方々も一緒に見送って下さいます。一人でも多くの子供たちと握手やハイタッチをしたり、手を振って言葉を交わす。その中で、演奏に何かを感じた子供たちは「よかった」「楽しかった」という言葉を素直に私たちに投げ掛けてくれます。そんなやり取りで心がほっこりして、やってよかったな、これは本当に大切なお仕事だなという実感を新たにするのです。
一昨年、長野県・千曲市(旧更埴市地域)での鑑賞教室を担当しました、と書きましたが、僕は別の楽団とこの5月のとある時期、この地に再び赴き鑑賞音楽会をさせていただきました。
ある日一つの小学校に着いた時に、児童さんが僕のところにそろりと寄ってきて「2年前に来てくれた時に聴いたロッシーニのウィリアムテルがよかった」と声を掛けてくれました。
えっ、と僕は声を失いかけました。僕のことだけでなくあの時の曲目まで覚えていてくれたんだ。覚えていてくれたお礼を伝えてから「君は今、何年生?」と尋ねたところ、僕に声を掛けてきたその男子児童さんは5年生だと答えます。3年生の時に聴いた東室の演奏を覚えていてくれたことに心から感激した瞬間でした。

今回のこの一連のお仕事に限らず、音楽鑑賞教室の時は、感受性の豊かな子供たちが音楽を聴いて感動してくれるのは当たり前、それを取り巻く先生方や保護者の皆さんが「素晴らしかった」と感じていただける演奏と内容のものを常にお届けしたいと僕は考えています。
演奏する側の人たちは上手なのは当たり前、でもそれだけではなくて常にパフォーマーとして、子供たちや聴いて下さる方々に、音楽ってこんなに楽しいんだ、ということが伝わるアピールの力、演奏している時の表情や姿も含めての東室らしさをより追求していきたい、楽団の方々とはいつもそのような話をしています。その結果、また東室さんの音を聴きたい、次もお願いします、そういっていただけて僕たちの仕事はナンボのものだと思うのです。
これからも東室ならではの上質な、そしてより楽しい音楽鑑賞教室をたくさん企画して、多くの子供たち、若者に音楽の楽しみとオーケストラの素晴らしさを知ってもらえるよう、知恵を絞って参りたいと思います。


本田さん、森さん、橘さん、ありがとうございました!

今回の長野県安曇野市での音楽鑑賞教室も、音楽で生徒のみなさまと素敵な時間を過ごされていたようです♪
感想からそんな温かい気持ちが伝わってまいりました!

さまざまな語り口で感想をいただきましたが、やはり演奏家のみなさまから
最後にいただく言葉は音楽鑑賞教室に対する思いについてです。
前回の当団首席クラリネット奏者河端さん、前々回の当団首席トロンボーン奏者井上さんも含め、「今後も感動を与える演奏を届けたい。」、「オーケストラの素晴らしさを伝えるために尽力していく。」等、お話しいただきました。

どんな形であれ、演奏家のみなさまからの音楽の、そしてオーケストラの感動が今回の児童、生徒のみなさまにも感じ取っていただけたのであれば幸いです。

長野県安曇野市の小中学校みなさま、ありがとうございました!
またどこかで、お会いできますように!!