2018-2019
season

東室ウィークリー

東室ウィークリー

【東室ウィークリー Vol.88】

更新日:2019.03.22 

 

【東室ウィークリー Vol.88】
いよいよ来週末に控えた東室90周年記念公演。
2月から2ヶ月間に渡り、「東室90周年コンサートに向けて」というテーマにて東室ウィークリーをお届けしてまいりましたが、今週の更新が本テーマの最終回となります。

そんな今回のVol.88、担当は首席フルート奏者の「吉田雅信」さんです!
東室の歩みを振り返りながら、ご自身の経験や思い出を含め、現在までお話をしていただきました。
どうぞご覧ください。


みなさんこんにちは。フルートの吉田雅信です。

今年は東京室内管弦楽団の創立90年にあたるという事で、3月末には創立90年記念コンサートが催されます。

一口に90年と言いますがそれは1928年(昭和3年)、テレビが無いのはもちろんラジオも放送が始まった一番初期の頃で、そんな時代の中で活動を開始したのでした。

当時の活動がどんなだったか今では想像もつきませんが、音楽と言えば生演奏だった訳ですから、
その活動は求められる様々な音楽を次々とこなしてゆく精力的なものだったかも知れません。

時代が下り、自分自身の思い出としては子供の頃のテレビ番組で「演奏:東京室内管弦楽団」というテロップがしばしば流れていた事、
また当時、ソノシート付きの音楽物語(音付きの絵本)というのがありましたがそこでも東京室内管弦楽団の名前がありました。
今となっては懐かしい思い出です。

20数年の月日を経て今度は自分自身が演奏に参加するようになりましたが、最初の頃強く印象付けられたのは
このオーケストラは誰もが自分を強くアピールしながら積極的に楽しんで演奏するという事でした。

いくつかの情景が思い出されます。
ウィリアムテルという序曲で冒頭の長いチェロのソロ。
普通はそのまま横向きに座って弾きますがおもむろに椅子を回して客席に向かって素晴らしいソロを朗々と弾き上げたチェロ奏者の方。

また当団のイエスタデイはトロンボーンがフィーチャーされていますが
本番中ソロの繰り返し部分で立ち上がって予告なく独自のアドリブを披露したトロンボーン奏者。
この時はぴたっとはまった彼の素晴らしいプレイにオーケストラ全体が熱くなって盛大な拍手をおくったものです。
指揮者の岩窪ささお先生もとびきりの笑顔で応えていました。

そうなんですね、東京室内管弦楽団の積極的な演奏姿勢の中心にはいつも指揮者の岩窪先生がいました。
自分を解放してのびのび演奏する事が人に受け入れてもらえて人に喜んでもらえる事に通じる。それはプレイヤーにとって最高に素晴らしい事なのです。

そんな雰囲気の中、先生自身のアレンジによる様々な曲を演奏していく過程で東京室内管弦楽団の基礎を成す独特なサウンドが生まれて来たのだと思います。

時は流れ、初めて東京室内管弦楽団のステージに乗せていただいてから30数年の歳月が過ぎました。
演奏スタイルは時代の流れと共にどんどん変化してゆくのは当然ですが、既にあるものの上に新しいものをどんどん吸収しながら成長してゆくのは自然な姿です。

今年は90周年ですが100周年へ、さらに先へと
東京室内管弦楽団が進んで行く事を願ってやみません。


吉田さんありがとうございました!
当時の風景が思い浮かぶようなお話から、吉田さんご自身が感じてきた東室の空気までリアルに表現されていて、実際に見てきたわけではなくともありありとその情景を想像することができたのではないでしょうか。
合計8回に渡り、東室との関わりが長い演奏家を中心に、東室について、全音楽監督のいわくぼささを氏についてなどお話しいただきましたが、いかがでしたでしょうか。
演奏家それぞれに思い出やエピソードがあり、東室という楽団の歴史の深さやユニークさが皆様に少しでも伝わっていたのでしたら幸いです。

いよいよ来週末に行われる東室90周年記念コンサートの3公演、皆様への長年の感謝を込めて、演奏家、指揮者、スタッフ一丸となってお楽しみいただけるコンサートをお届けします。ぜひご期待ください。

来週は東室ウィークリーとしてはお休みとさせていただき、SNS等で当日の様子などもお伝えしていく予定ですので、そちらをお楽しみいただければと思います。

来月のウィークリーはまた新たなテーマでお届けいたしますので、こちらもどうぞお楽しみに!