2023-2024
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東室ウィークリー

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【東室ウィークリー Vol.37】本日更新!

更新日:2017.01.12 

【東室ウィークリー Vol.37】
当団メンバーの”今”をお届けする、Facebook・twitterのコンテンツ、
《東室ウィークリーVol.37》本日アップ!

今週はヴィオラ奏者の津布久敏子さんです。
演奏家の皆さんだからこそ書ける色々な楽器のお話を通して、
様々な楽器の魅力を多くの方に知って貰えたら嬉しいです♪
東室ウィークリーならではの、演奏家の皆さんのエピソードをこれからも沢山お届けします!

是非ご覧下さい♪


こんにちは。ヴィオラ奏者の津布久敏子(つぶくとしこ)です。
皆様はヴィオラをご存知ですか?ヴァイオリンより一回り大きくアルトの落ち着いた大人の女性の声の高さで、いぶし銀とも表される温かく深い音色の弦楽器です。
オーケストラでは中音域で、音色や響きを作ったり音の厚みや深みを増す縁の下の力持ち的な役割が多く合奏に欠かせません。
おまんじゅうでいうとちょうどあんこの部分、ここの味付けや良さで全体が大きく変わる感じでしょうか。
浩宮様がお弾きになる事や「ヴィオラスペース」(検索してね)などで今は知名度がずい分上がりました。
合奏だけでなくソロでも人間味のある豊かな情感を描ける素敵な楽器です。
バルトークのヴィオラ協奏曲(遺作)の出だしの、ヴァイオリンとはまた違う美しい高音の音色も機会があったら是非お聴き下さい。
ここからは思い出をお話しします。
高校生の頃は宿題のヴァイオリン協奏曲を練習するのはそっちのけで、レコードを聴いてはピアノで伴奏譜(オーケストラの音がピアノに置き換えてあります)を弾いては、ふーんなるほど、と色彩豊かなオーケストレーションや内声の動きを楽しむのが大好きでした。
その後音大に入り学校のオケではファーストヴァイオリンばかり、弾いても何かしっくりこない、まったく他の事に夢中になっていた大学3年の時に副科でヴィオラに出会いました。
大きくて疲れそう・・・でも初めて弾いた時、落ち着いた音色にとてもほっとしてこれだ!と、自分に合うものにやっと出会えたのでした。
4年に進級する時「ヴィオラに転科したい」と両親にお願いすると、「あと1年だからそのまま卒業しなさい」とあえなく却下、当時知名度が低くなかなか理解されなかったのですね。
その頃に学校の定期演奏会で初めてヴィオラで弾いた曲がチャイコフスキーの交響曲第5番です。今でも演奏すると当時の事を思い出します。
プロオーケストラにエキストラ出演させて頂き始めたのもその頃です。
オケの仕事とアルバイトと、それでも足りなくてピアノを処分して、卒業の頃にドイツ製の古いヴィオラを購入し勉強しました。
(もちろんその後両親とも認めて応援してくれています)
お話は前後しますが、初めて聴いた交響曲がベートーヴェンの交響曲第5番「運命」です。
小学生の頃に父が買ってきてくれたオープンリール(なぜかこれでした)の録音を聴きながら指揮の真似事をして遊んだ記憶があります。
ベートーヴェンの耳が聞こえなくなった逸話や、出だしの「運命が扉をたたく」モチーフは凄くインパクトがありましたが、3楽章の終わりの3拍子の暗い混沌とした音楽が段々とエネルギーを増して輝かしい4楽章の4拍子に入るところが面白くてお気に入りでした。
東京室内管弦楽団は大学卒業頃の駆け出し時代からのご縁です。
当時の岩窪ささを先生率いる東室は、クラシックだけでなく独特のオリジナル岩窪サウンド、ポピュラーや映画音楽、タンゴ、バロック、ゲーム音楽の先駆けととても幅広く、楽しく実にたくさんの経験をさせて頂きました。
前回フルートの吉田さんも書かれていましたが、オケが良い演奏をすると終わってお客様の方を向く前に「いやー、ありがとう!」とまず私達にお礼を仰るのです。
そして常にお客様と心が共にあり、とても大切な事と感じました。
それからバックステージ、東室のコンサートが始まる前の舞台袖では誰かが何かメロディを弾いていると他の誰かが一緒に弾き出したり、自然にアンサンブルで加わってきたり、皆様音楽性や経験が抜群に豊かなのです。
楽しく自由闊達な空気が脈々と流れ、ステージでも生かされているように感じます。
その中で素晴らしい先輩方や仲間に恵まれて私自身も育まれ、山あり谷ありですが東室で音楽できる幸せに感謝しております。
そして人と同様に音楽性やヴィオラの音色も人生経験を積むほどに豊かに深みを増していく様に感じます。
2月16日(木)紀尾井ホール The ファンタジーオブクラシック Part.15では、思い出深いベートーヴェンの「運命」、チャイコフスキー、2つの第5交響曲を演奏致します。
オーケストラを支える内声部の面白さや魅力も感じて頂けたら幸いです。
皆様のご来場を心よりお待ちしています。


今週はヴィオラ奏者の津布久敏子さんでした。
演奏家の皆さんだからこそ書ける色々な楽器のお話を通して、様々な楽器の魅力を多くの方に知って貰えたら嬉しいです♪
東室ウィークリーならではの、演奏家の皆さんのエピソードをこれからも沢山お届けします!
津布久さん思い入れの、ベートーヴェン、チャイコフスキーの交響曲第5番を聴きにぜひ【The ファンタジーオブクラシック Part.15】にお越しください。
来週は打楽器奏者の出戸絢奈さんです。
次回の投稿もお楽しみに!

また、津布久さん思い入れの、ベートーヴェン、チャイコフスキーの交響曲第5番を聴きに、
ぜひ【The ファンタジーオブクラシック Part.15】にお越しください。

 


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