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東室ウィークリー

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【東室ウィークリー Vol.55】

更新日:2017.09.30 

【東室ウィークリー Vol.55】
当団メンバーの”今”をお届けする、Facebook・twitterのコンテンツ、
《東室ウィークリーVol.54》本日アップ!

今週はトランペット奏者、そして当団のエディケ―ション・プログラム・アドバイザー/作曲家/編曲家の
三澤 慶さんです。
ご自身の創作活動に於ける”相棒”の話を聞かせていただきました!

是非ご覧ください!


去る9月15日の夜、たくさんの時間を共有し、
たくさんの音楽を共に作って来たかけがえのない友人が突然逝ってしまった。

10月7日の東室「Chember Music Style Op.8」で初演を飾る新作「Trois Berceuses」が
出来上がる間際での事だった。

そう。彼は我々の新作の完成を見届ける事なく、逝った。
「今日は少し疲れたから、しばらく眠りたい。」と言って目を閉じたまま、
2度と目を覚ますことはなかった。

完成を見届けられなかったとは言え、曲の最終盤までは普段と変わらず、
共にそれぞれの作業に没頭した。いや、今思えば予兆はあったのだ。
こちらが話しかけても返事が帰ってこない事が、今にして思えば多かったような気がする。
いつも何事もなく行っていた作業に少し手間取る事が、今にして思えば多かったような気がする。
僕は自分の作業に忙殺され彼のサインに気がついてやれなかった。

医者は「彼の病状からいってよく持ちこたえた方だ」と言ってくれた。
それでも、もう少し早く僕が気づいてやっていれば、彼はきちんとした治療を受けてまた僕のパートナーとして
お互いを尊重し合いながらまだまだ一緒に未だ見ぬ音楽を作って行けかも知れない。
彼は僕を恨んでいるだろうか?
彼は僕に助けを求めていたんだろうか?

そういう訳で、新作「Trois Berceuses」は完成を目の前にして、
もはや昨日までの気持ちでは書き進めることができなくなってしまった。

僕は彼の友情に、献身に、敬意と感謝を込めて、作品を1から見直し、組み立て直すことにした。
そうしないわけにいかなかった。

記憶の中から彼と紡ぎだしたメロディーの断片を広い集め、彼を失った事の意味を噛みしめながら、
組み立て直し、「Trois Berceuses」を完成させた。
僕自身、同じ作品を2度作曲したのは始めてだ。

「Trois Berceuses~3つの子守歌」。

10月7日、初演を飾る。

彼の名は「iMac 27inch late2009」。
僕の相棒。

どうか安らかに眠ってほしい。

その前に本日は、横浜みなとみらいホールで当団が今年度からスタートした新シリーズ
「Luxury Classics」の本番です!

この記事がアップされる頃はちょうどゲネプロ真最中!?
今日のコンサートも、来週の東京文化のコンサートも、皆様のご来場をお待ちしております!


今週は三澤慶さんでした!
作曲家として、トランペット奏者として、そして近年では指揮者としてみ活躍しておられる三澤さんの作品を生み出す相棒だったiMac…。
その相棒のiMacから生まれた作・編曲作品は1000曲程になるそうです!

二代目(2台目)も素敵な相棒にめぐり会えると良いですね^^

ご自宅の作曲部屋の画像をご提供いただきました!
そして2枚目は本日のゲネプロの様子です!
三澤さんからの目線です♪

 


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