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東室ウィークリー

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【東室ウィークリー Vol.33】本日更新!

更新日:2016.12.01 

【東室ウィークリー Vol.33】
当団メンバーの”今”をお届けする、Facebook・twitterのコンテンツ、
《東室ウィークリーVol.33》本日アップ!

今週はコントラバス奏者の幕内弘司さんです。
コントラバス奏者の特徴を幕内さんの視点からユーモラスに書いてくれました。
皆さんも、楽器ごとに演奏家のイメージをなんとなくお持ちかと思います。
東室メンバーそれぞれの演奏している様子からも、その性格や感情が見えて(聞こえて)きますよ♪

是非ご覧下さい♪


こんにちは。
東京室内管弦楽団、コントラバス奏者の幕内弘司と申します。
ちなみに、時々間違われるのですが、「マクノウチ」ではなく「マクウチ」と読みます。
以前、あるオーケストラに初めてエキストラとして参加した際に、「会場の近くには食事をとれる処が少ないため希望される方にはお弁当を用意しますので、楽屋に貼られている申込書にお名前を書いておいてください。」とのインフォメーションがありました。
不慣れな会場ということもあり、私もお弁当を希望しようと申し込み書に名前を書いておいたのですが、しばらくしてスタッフが「すみません~!お弁当の申込書の名前の欄に幕ノ内(弁当)と書かれた方がいるんですがどなたでしょうか~?」と大きな声でオーケストラメンバー全員に尋ねられました。
私はおずおずと手を上げ「あの~それはお弁当の種類を書いたわけではなく、自分の名前なのですが・・・」と答え、笑いをかった事を思い出します。
改めて申し上げておきますが、私はお弁当屋さんでも相撲関係者でもありませんので、どうぞよろしくお願い致します。(笑)
さて、私が担当するコントラバスという楽器ですが、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか?
「大きい」・「重そう」・「運ぶのが大変そう」・「家にあったら邪魔そう」等々、やはり大きさに関するものが多いのではないでしょうか。(楽器のことに関しましては、以前当団のコントラバス奏者の駒井朗さんが東室ウィークリーで書かれていますので是非ご覧ください。)
それでは、この大きな楽器を演奏する奏者に対してはいかがでしょう?
外見的には、楽器の大きさから「体の大きい人」「手の大きい人」「力の強い人」といったイメージを持たれるかもしれませんが、最近では小柄だったりスレンダーな女性も多く活躍するようになりましたのであまりあてはまりませんね。
では、内面的なもの(性格的)についてはどうでしょう?
勿論、世の中には大勢のコントラバス奏者がいるわけですから簡単に「コントラバス奏者はこういう性格」と言いきる事はできませんが、何かしらの特徴があるのではないかと思います。
国内の某プロオーケストラに所属されている方(コントラバス奏者ではありませんが)が、オーケストラの楽器別に人間分析した本を書かれています。
その本によれば、コントラバス奏者は『泰然自若・唯我独尊』だそうで、『どこか年齢不詳で.奇妙な落ち着きと物静かな印象がある。』と付け加えています。(褒められているのか、そうでないのか微妙な感じですが。)
著者によれば、この特徴は、合奏においてほとんどメロディーを演奏することもなく、常にその伴奏に徹し「求められ与えるのみ」といったオーケストラにおけるコントラバスの役割が関係しているのではないかと分析しています。
しかしながらどうでしょう?『泰然自若』(落ち着いていて、どんな事にも動じないさま)と表現されていますがが、私などは実際の演奏中、重要なパッセージが近づいてきたらもうドキドキですし、ちょっとアンサンブルが狂えば「とうしよう!どうしよう!」とヒヤヒヤしているものです。
また『唯我独尊』(この世で、自分ほど偉いものはいないとうぬぼれる事)とありますが(もしかして、ひたすら我が道を行くといったといったニアンスかもしれませんが?)
これに付いても、ほとんどの奏者は「自分の音は周りにどう聞こえているのか」「このメロディーを引き立てるためには、自分はどういった音で伴奏するべきか」といった事などを常に考えながら演奏していると思います。
ですので、『泰然自若・唯我独尊』とは逆に、どちらかといえば「小心者で人目を気にし、それを悟られないために寡黙」といつたコントラバス奏者は多いのではないでしょうか。
ただ、合奏の中で、四分音符一つの「ボン!」で旋律を引き立て、「ヴゥ~ン」といったロングトーンでハモニーを支えることが出来た時などは喜びと達成感を感じ、自分が演奏の中心になったような気になり悦に入るものです。
そういったことから『求められ与えるのみ』(ちょっと大げさ?)と表現されたようにメロディーのため・アンサンブルの為・人の為になることにやりがいを感じる傾向があるような気がします。
それは、演奏だけでなくコントラバス奏者がインスペクター(楽員の代表または世話役的役職)や労働組合の役員など人をサポートするような仕事を引き受けたりすることが多く、時にはそれが高じてマネージャー業に転じる人が出る事などからも、そういった気質を窺がう事が出来るのではないでしょうか。(ちなみに、前出 コントラバス奏者の駒井朗さんも当団のインンスペクターを引き受けられています。)
先にも述べましたが、大勢いるコントラバス奏者を一言で表すのはちょっと無理があるとは思いますが、あえて私はコントラバス奏者は『ちょっと小心者で時に自惚れや、人(演奏では旋律やハーモニー)の為になる事に喜びを感じ、またそれを自らの表現とする変わり物』と表してみましたが。いかがでしょか?
今回はコントラバス奏者に限ってお話させていただきますが、オーケストラの中のほかの楽器奏者にもそれぞれ特徴・特性といった物があると思います。
そういった楽器別の奏者の特徴・特性などにも注目して「あの楽器はどういうキャラクターの人が演奏するのだろう?」とか想像いながら演奏会を鑑賞するのも面白いかもしれませんね。
勿論、当 東京室内管弦楽団も奏者をはじめ指揮者そしてスタッフいたるまで個性派揃いですので、是非そういった点も観察しつつ演奏をお楽しみ頂ければ幸いです。


今週はコントラバス奏者の幕内弘司さんでした。
コントラバス奏者の特徴を幕内さんの視点からユーモラスに書いてくれました。
皆さんも、楽器ごとに演奏家のイメージをなんとなくお持ちかと思います。
東室メンバーそれぞれの演奏している様子からも、その性格や感情が見えて(聞こえて)きますよ♪
ぜひご注目ください!
来週は首席ヴァイオリン奏者の水村浩司さんです。
次回の投稿もお楽しみに!


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