2017-2018
season

東室ウィークリー

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【東室ウィークリー Vol.8】本日更新!

更新日:2016.06.02 

【東室ウィークリー Vol.8】

 

当団メンバーの”今”をお届けする、Facebook・twitterのコンテンツ、
《東室ウィークリーVol.8》本日アップ!

Vol.8 はヴァイオリン奏者の桑原晴子さんです!

是非、ご覧下さい♪


初めて東京室内管弦楽団で弾かせていただいたのは、確か大学を卒業した年だったでしょうか。音楽鑑賞教室のお仕事で、指揮は故いわくぼ先生。
すでに在京オーケストラでエキストラ奏者をしていたものの、早朝現場集合→駆け足のゲネプロ→すぐ本番!という工程は、ひよっ子のわたしにはたいへんキツイものでした。他の奏者さんがやすやすと奏でるなか、ただあたふたするばかり…。
夕方まで何回かステージをこなしましたが、一曲たりともまともに弾けた感じがしなくて、あのときの恥ずかしさは今でも忘れません。
月日は流れ、30代はスタジオワークに明け暮れました。その後再びご縁をいただき現在にいたるのですが、苦い思いをしたあの日から自分は成長したのだろうか?と、ちょっと考えてみました。
クラシックオーケストラに限定して申しますと、経験値が上がって弾いたことのある曲が増えれば、譜読みなどの基本作業は減ります。これだけで、ずいぶん楽になるんです。
しかし、何十回と演奏している曲でも慣れや固定観念はなく、むしろ弾くたびに「そうだったのか!」と目からウロコが落ちることばかり。
それらは曲に適した奏法やボジションや、あるいはセンテンスの解釈など、おそらく人様がとうに会得しているレベルのことなのですけれど、自分にとってはとても大切な《気づき》なんですね。
勝手知ったる曲なのに常に試行錯誤しているのは、単に晩生(オクテ)だからにすぎません。
昔はそんな不器用な自分を呪ったものですが、遅まきながらもその都度自分なりの発見があるわけで、まあこれも悪くないのかなと今は思っています。
そして東室には優秀なヴァイオリンプレーヤーがたくさんおられますので、エイジを問わず全ての方がわたしにとって先輩であり師です。
もうキャリアは関係ないですね。このような心持ちでお仕事できるのは、本当にありがたいことだと思わずにいられません。
閑話休題。
さて皆さま、コンチェルトを全楽章通して弾くって、簡単だと思われますか?
「プロだもん、ちょっとおさらいすればへっちゃらでしょう?」というお声が聞こえてきそうですが・・・いえ!、それは違います!
「譜面どおり、音程正しく」なんていうのはこの際置いておいて、問題は「お客様にお聴かせできる音楽に仕上げる」ということなんです。これは決してたやすくありません。ところが、なんと一晩にコンチェルトを三曲も弾いちゃうのが、東室のコンサートミストレス小笠原女史です。
バイタリティーのある方だというのは存じ上げていたのですが、昨年伴奏をさせていただいて、そのすごさに圧倒されました。
「三大コンチェルトの夕べ」なので、強靭な体力をおもちなのは言わずもがなですが、目を見張るべきはここ一番の集中力です。
リハ中はソロの呼吸をつかめず、オケが迷路に入り込む厳しい場面も。
しかし蓋を開けてみれば・・・よどみのない音楽の流れにオケがぴたりと寄り添い、リハーサルにはなかった安定感が生まれていました。
誠に彼女らしい生き生きとしたエネルギッシュな演奏に、満場からは鳴り止まぬ拍手が。わたしもすっかり一聴衆と化して、ずっとずっと拍手をしていました。
いつも明るくてプラス思考、そして、ご自身を局限に追い込んで挑戦しつづける小笠原さん。
今年もまた6月10日に、神奈川県立音楽堂で「三大コンチェルトの夕べ」があります。
プログラムはベートーベン、メンデルスゾーン、チャイコフスキーで、いずれも壮麗なスケールをもつ天才たちの名曲。
昨年とは違う彼女の新しい表現を期待して、わたしも改めてピュアな気持ちでアンサンブルに臨みます。


今週はヴァイオリン奏者の桑原晴子さんでした!
桑原さんのお人柄が感じられる東室ウィークリーでした。真摯に音楽に向き合う演奏家の皆さんの様子を垣間見られるのが、東室ウィークリーの楽しみのひとつですね♪
昨年に引き続き桑原さんも出演する【小笠原伸子コンチェルトシリーズ Vol,2 三大協奏曲の夕べ】はチケット好評発売中です!
小笠原さんの伸びやかな音色と、響き合うオーケストラ…どうかお聴き逃しの無いよう、皆様お誘いあわせの上ご来場ください。
来週は首席クラリネット奏者の河端秀樹さんです。
次回の投稿もお楽しみに!