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東室ウィークリー

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【東室ウィークリー Vol.6】本日更新!

更新日:2016.05.18 

【東室ウィークリー Vol.6】

 

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《東室ウィークリーVol.6》本日アップ!

Vol.6 は首席オーボエ奏者の林 憲秀さんです!
是非、ご覧下さい♪


皆様こんにちは。オーボエ奏者の林憲秀です。
早速ですが、オーボエ奏者にとってのオーケストラでの大事な役割の一つである「チューニング」についてお話させてください。
期待の高まる演奏会の冒頭、オーケストラの楽員が全員ステージに揃い、コンサートマスターから合図をいただくと、私はA(ラの音、東室ではA=442hz)を奏で、楽員がその音を聴いて、自分の楽器の音程等を確認します。
簡単な作業に感じますが、私もオーケストラ全員も、この瞬間にその日の状態を計っているのです。
私の奏でるAの音から、何かリラックスできる雰囲気を感じてもらえているとき、その後の演奏はストレスの少ないものになる気がしますし、また私のAがどこか窮屈な印象を与える音だと、それがそのまま演奏の序盤に反映してしまいかねません。
なので、本番はもちろんですが、リハーサルに於いても、我々オーボエ奏者にとってチューニングは気の抜けない瞬間です。
なぜ故にオーボエがチューニングの基本となる音を最初に奏でるのかには諸説あります。
「オーボエがオーケストラの中央に位置し安定した良く通る音であるから」
というものから、そのまったく逆の
「オーボエが最も音が安定しないので、みんなでオーボエに合わせてあげている」
といったものまで、可笑しな話ではありますが、実際のところどうなのでしょう。
私個人の意見では、より後者に近いものが起源だと思っています(笑)というのも、200年以上前のバッハやモーツァルトの時代のオーボエは、今とは材質も違い、金属製のキーも2つしかありませんでした。
リードも今以上に不安定で(オーボエ奏者は自らリードを作るのですが)、仕上がり具合で簡単に高くも低くも変わってしまうこともあるのです。
またリードはその日の気候にも影響され、同じ状態を保つのは困難を極めます。
今でもこのリード制作はやっかいなものですが(リードのお話はまたいずれ。面白いですよ!)、オーボエ奏者は安定したチューニング音を提供出来るよう日夜リード作りに勤しんでおります。
もちろん、我々オーボエ奏者の役目はこれだけではありませんが、大事なコンサートの幕開けを告げるための雰囲気作りに、様々なエピソードがあることを皆様に知っていただければ、より励みになります。
次回5月26日のサントリーホール ブルーローズでの【平日マチネ~午後のひととき、ちょっと気軽に”モーツァルト”】。
作品に相応しい演奏をする為に、どのような導入が求められるのか。それを考えるだけで私の気持ちも高まります。
物集女純子さんのソロとの共演も、とても楽しみなコンサートですので、是非とも初夏の午後、サントリーホールに足を運んでいただければ幸いです!


今週は首席オーボエ奏者の林さんでした!
チューニングが始まる瞬間の緊張感、そして一体感はオーケストラのコンサートならでは、ですよね♪
いよいよ来週に迫った【平日マチネ】ではどんな雰囲気でスタートするか・・・楽しみです!
来週の東室ウィークリーはヴァイオリン奏者の中村備生さんです。
次回の投稿をお楽しみに!


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